アメリカ税務|Statute of limitations(税金の時効)について
- アメリカで確定申告をしていないけど時効はいつ?
- アメリカで税金を支払っていない場合はどうなる?
- アメリカの税務書類はいつまで保管すればいい?
- アメリカの還付金はいつまでに請求すればいい?
このような疑問はありませんか?
今回の記事は、アメリカ税務に関する時効や期限について説明します。各種税務手続きには時効や期限があり、過ぎてしまうと大きな問題を引き起こす可能性があります。過ぎた時間は戻って来ません。未然に問題を防ぐための情報を書きました。
Statute of limitations(税金の時効)
通常IRSには、確定申告後、納税者が支払った税額に不足がないか判断するために、各年の確定申告日から数えて3年間の税務調査期間が与えられています。つまり税額に不足が生じていた場合、IRSは3年の期間内であれば税金を追加徴収することができます。
ただし、下記の事項については3年ルールは適用されませんので注意が必要です。
- 総所得の25%以上を過少申告していた場合は、時効期限が6年となります。
- 不正に確定申告をしていた場合は、時効期限は無制限となります。
- 確定申告していなかった場合は、時効期限は無制限となります。
またIRSは、支払うべき最終納税額が決定した日から、10年間に渡り税金を徴収することができます。この期間に税金の支払いがない場合は、IRSは納税者の資産の差し押さえや裁判手続きなどの方法を用いて税金を徴収することができます。
ただし、納税者に減税されるべき正当な理由があれば、税額が決定した後でもIRSと協議をする機会を設けることができます。また納税者にその税額の支払いが困難な場合は、妥協案や分割案などの対策をIRSと協議することも可能です。
当事務所は、納税者の代理人として、IRSとこれらの税務問題について交渉することができます。
税務書類の保存期間について
IRSから税務調査が行われた場合のために、書類や情報などは大切に保管しておく必要があります。税務記録は、紙、デジタル、または会計ソフトウェアパッケージの一部として保存することが許可されています。もしデジタルデータになっていない書類がある場合は、スキャンをするか、またはできる限りその状態のままで保存しておくことが良いでしょう。
IRSには、最終税額を決定するまでに申告日から3年間、税務調査期限が与えられています。この期間は必ず情報を保存しておいてください。
ただし、下記の状況に関しては税務書類の保存期間が変わってきます。
- 確定申告上、還付金または税額控除額(クレジット)を請求した場合、申告日から3年間、または税金を支払った日から2年間、どちらか遅い方が保存期間となります。
- 総所得の25%以上を過少報告していた場合は、保存期間が6年となります。
- 不正に確定申告を申告していた場合は、保存期間は無制限となります。
- 確定申告を提出していなかった場合は、保存期間は無制限となります。
- 価値がなくなった有価証券の損失を報告する場合、または不良債権を控除する場合の保存期間は、7年となります。
- 従業員を雇っている場合、雇用者税(employment tax)の記録は支払日から4年間、保存が必要となります。
事業関係の書類
企業の場合は、定款などの会社設立書類、取締役または株主総会の議事録、株主名簿は無期限に保存する必要があります。 その他、証書、権利書、財産記録、および契約書も含めて永続的に保存する必要があります。
税務書類には、原則3年の保存期間が定められていますが、個人事業主、または会社を経営する事業者は少なくても7年、一部書類は無期限に保存しておくことをおすすめします。下記の表を使用し、保存年数の参考にしてください。
税務記録 | 保存年数 |
買掛金 | 7年 |
売掛金 | 7年 |
監査報告書 | 無期限 |
勘定科目表 | 無期限 |
減価償却方式 | 無期限 |
経費 | 7年 |
年度財務諸表 | 無期限 |
固定資産購入 | 無期限 |
総勘定元帳 | 無期限 |
在庫 | 無期限 |
ローン返済計画 | 7年 |
売上 | 7年 |
支払済小切手 | 7年 |
確定申告書 | 無期限 |
銀行明細 | 7年 |
銀行勘定調整表 | 7年 |
還付金、クレジットの請求期限
納税者が、税金の還付金と払い戻しできるタックスクレジット(税額控除)を、IRSへ請求できる期間にも期限があります。請求期限は、確定申告書を提出した日から3年以内、また税金を支払った日から2年以内のいずれか遅い方となります。確定申告を行なっていない場合は、税金を支払った日から2年以内に請求する必要があります。
多くの納税者は、連邦確定申告書を提出していなかったという理由だけで、税金の還付金を失う可能性があります。IRSは、各課税年度に関して約15億ドルの未請求還付金を保持していると、報告しています。請求期限を過ぎてしまうと税金の還付金やタックスクレジットを受け取れなくなってしまいますので、期限を守って忘れずに請求することが大切です。
まとめ
細かなルールはいくつかありますが、原則の3年ルールはしっかり覚えておきましょう。確定申告後、3年間は税務調査が入る可能性がありますので、情報は必ず保管しておいてください。また還付金とタックスクレジットの請求も、確定申告後、3年以内が請求期限となります。
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