アメリカの相続税はいくらから?

アメリカの相続税には、Estate Tax(遺産税)とInheritance Tax(遺産取得税)の2種類の相続税があります。Estate Taxは、故人の財産に課税する制度であり、相続財産から税金を差し引いた後に、残りを相続人が分けることになります。連邦と一部の州で採用されています。

一方、Inheritance Taxは相続人が相続によって取得した財産(=相続人の所得)に課税する制度になり、一部の州のみで採用されています。連邦にはありません。

日本では現在、両方を組みわせた方式が採用されています。しかし、アメリカでは相続税の扱い方が日本と異なります。さらに連邦と州の間でも違いがありますので注意が必要です。

アメリカ遺産税の仕組み(Estate Tax)

アメリカ遺産税は、死亡後に故人の財産から遺産税が差し引かれ、遺産を相続した相続人には遺産税が課せられません。

連邦レベルでは、2023年に1292万ドルを超える遺産の部分に18〜40%の連邦遺産税が課されます。 親族が数億万長者でない限り、連邦遺産税の支払いについて心配する必要はありません。

連邦遺産税の申告は、Form 706(故人がアメリカ市民または居住者)を使用します。アメリカの連邦遺産税の申告日は、個人が亡くなった日から9ヶ月以内(6ヶ月の延長申請可)となります。

Form 706-NAは、アメリカ非居住者用の連邦遺産税申告フォームとなります。アメリカで所有していた不動産、株式、債権などの遺産価値が6万ドル(基礎控除額)を超えた場合は課税されます。しかし、日米相続税条約により非居住者枠の基礎控除額が増加する傾向がありますので、多額の財産がなければ全額控除できる可能性が高いです。申告期限は、Form 706と同じく故人の死後9ヶ月以内となります。

注意点!

故人の配偶者がアメリカ市民である場合は、配偶者に残された遺産の価値がいくらであっても(1292万ドル超えても)、連邦遺産税の対象にはなりません。この規則は、無制限婚姻控除(unlimited marital deduction)と呼ばれます。

ただし、相続する配偶者がアメリカ市民でない場合は、たとえ配偶者がアメリカ永住者であっても、婚姻控除は適用されません。 連邦政府は、市民ではない人が多額の遺産を相続し、遺産税を支払わずに国を出て故郷に戻ることを望んでいません。

それでも非市民の配偶者を含む誰にでも、連邦遺産税を支払うことなく、免除額(2023年には1292万ドル)までの資産を残すことができることを覚えておいてください。 また、非市民の配偶者が先に死亡した場合、アメリカ市民である配偶者に残された資産は、無制限の婚姻控除の対象となります。


州遺産税が適用される州に住んでいる場合は、連邦遺産税を支払うよりも、州遺産税を支払う可能性が高くなります。 州および特別区の遺産税の免除額はすべて、連邦査定(1292万ドル)の半額以下です。免除額と相続課税パーセンテージは州によって異なります。 州遺産税は、死亡時に被相続人が住んでいた州によって査定されます。

相続税のある管轄区域は次のとおりです。

  • Connecticut.
  • The District of Columbia.
  • Hawaii.
  • Illinois.
  • Maine.
  • Maryland.
  • Massachusetts.
  • Minnesota.
  • New York.
  • Oregon.
  • Rhode Island.
  • Vermont.
  • Washington.

アメリカ遺産取得税の仕組み(Inheritance Tax

アメリカ遺産取得税は、故人の財産の価値のパーセンテージに対して相続人が支払う州税です。 相続に対して課税されるかどうか、そしてどの程度の税率であるかは、財産の価値、故人との関係、住んでいる州の規則と税率によって決定されます。主に相続人が遠い親戚、または故人とはまったく関係のない場合に適用されます。 故人の配偶者は常に遺産取得税が免除され、近親者 (子供、両親) も免除されることがよくあります。

連邦には遺産取得税はありません。

アメリカ遺産取得税を徴収する州は次のとおりです。

  • Iowa.
  • Kentucky.
  • Maryland.
  • Nebraska.
  • New Jersey.
  • Pennsylvania.

上記の州に住む故人の友人や親戚から、財産、現金、投資、またはその他の資産を相続する場合は、州の税務フォームを提出する必要があります。

Maryland州は、遺産税と遺産取得税の両方が課せられる唯一の州です。

まとめ

アメリカで相続税の可能性がある場合、連邦レベルと州レベルで考える必要があります。また故人と相続人の関係性とお互いの税務ステータス(アメリカ市民、永住者、居住者、非居住者)をしっかりおさえておく必要があります。

さらに、アメリカの相続税には、Estate Tax(遺産税)とInheritance Tax(遺産取得税)の2種類の相続税があります。これらの違いについても理解しておくことがとても重要です。

人のライフイベントとして、『死』というのは誰しもが免れることが出来ないイベントです。相続税が発生する可能性がある場合は、事前にご相談ください。

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