アメリカのクラウドファンディングには税金がかかる?
クラウドファンディングは、多くの人から寄付を募ることでウェブサイトを通じて資金を調達する方法です。募った寄付はビジネス資金、慈善活動、寄付金等などの目的に使用されます。
アメリカ連邦税法では法律によって総所得から明確に除外されていない限り、あらゆるすべての所得は総所得の中に含まれます。 基本的に贈与として受け取った金銭または資産等は、贈与を受け取った人の総所得には入れません。
もしクラウドファンディングへの寄付金が、支援者の利害関係のない公平な意志によるものである場合は、贈与とみなされます。しかし、その支援行為が道徳的、法的義務からくる場合、または寄付金の見返りとして受領者から何かを受け取ったり、受け取る期待をした場合は、贈与とみなされない可能性があります。
贈与としてみなされない場合は課税対象となります。
Form 1099-K とは
クラウドファンディングの税務を知る上で、Form 1099-Kについて理解しておくことが必要です。
Form 1099-K(Form 1099-K, Payment Card and Third Party Network Transactions)とは、その他の1099とは異なり、クレジットまたはデビットカード会社やその他第三者の業者を通じて支払われたお金に対して発行されるフォームになります。
例えば、あなたがEコマースビジネスを通して、VisaやMaster(クレジット会社)、PayPal、アマゾンなどの第三者支払仲介金融機関から売上を受け取った場合に発行されます。その他、Venmo, Uber Eats, Cash Appを利用してビジネスを行っている人はForm 1099-Kを受け取る可能性があります。
第三者金融機関は、ビジネス上、年間600ドル以上の売上があった場合Form1099-Kを発行し、IRSと納税者であるあなたへ報告する義務があります。Form 1099-Kを受け取った場合は、記載されている売上の数字をもとに損益を計算し確定申告をします。
ただしForm 1099-Kに記載されている全ての数字が課税対象となるわけではありません。中にはビジネスに関係のない私用の取引が含まれている場合があります。その際は総所得から除外する必要があります。また記載されている売上は所得控除前の数字になるため、控除できる経費がある場合は適切に控除してください。
クラウドファンディングの課税関係は?
クラウドファンディングを利用して調達した資金がクラウドファンディングの業者、または第三者支払金融機関を通して支払われた場合はForm 1099-Kが発行される可能性があります。しかし米国救済計画法(American Rescue Plan Act)には、もしクラウドファンディングの資金調達に寄付する人が、その支援の対価として商品やサービスを受け取らなかった場合はForm1099-Kを発行する必要がないと明記されています。
Form 1099-Kが発行される条件は、上記でも記載した通り年間600ドル以上の取引が支払われた場合です。2022年より前は年間20,000ドルを超える取引には発行する必要がありましたが変更になりました。
従って、クラウドファンディングを利用してクラウドファンディングの業者、または第三者支払金融機関から600ドル以上の資金を調達し、尚且つクラウドファンディングに寄付する人が支援の対価として商品やサービスを受け取った場合はForm1099-Kが発行されます。
クラウドファンディングには、主に寄付型、報酬型、株式型の3つの種類があります。 寄付型のクラウドファンディングは、プロジェクト、またはイベントに寄付する場合です。 報酬型のクラウドファンディングは、金銭的寄付の対価として商品やサービス交換します。株式型のクラウドファンディングは、寄付に対して支援者は非公開株を受け取ります。
支援者から寄付型のクラウドファンディングを通して寄付金を受け取った場合、対価として商品やサービスと交換はしませんので『贈与』とみなされます。贈与とみなされた場合は受領者が受け取った寄付金は非課税となります。また支援者が送った寄付金は16,000ドル(2022年贈与税控除額)まで非課税対応となります。
報酬型のクラウドファンディングの例を見てみましょう。 あなたが見込みのある製品のプロトタイプを開発するとします。 Kickstarterキャンペーンを利用して15,000ドルの資金を調達しました。そして寄付者にTシャツ、ロゴ入りマグカップ、またはステッカーの形でささやかな贈り物を提供します。 この場合、支援の対価として商品を提供しているため寄付金は課税対象所得としてみなされます。
まとめ
テクノロジーの進化と税制ルールはイタチごっこの側面があることは否定できません。繰り返しになりますが、アメリカ連邦税法では法律によって総所得から明確に除外されていない限り、あらゆるすべての所得は総所得の中に含まれます。
クラウドファンディングは比較的新しい資金調達方法です。所得報告漏れがないよう利用するクラウドファンディングの種類、寄付金の対価として商品またはサービスと交換しているか、寄付金は贈与とみなされるか、これらのポイントに注意してクラウドファンディングを使用する必要があります。
利用する前に専門税理士と課税となるか確認することをお勧めします。
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